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水 泳
デビュー以来 還暦を超えた今でもその美しさを保っている高名な女優の若さの秘訣は毎日の水泳にあるという
彼女は多忙ななか スケジュールをやりくりして毎日のように2~3000m泳ぐという
別に彼女の後を追っているわけではないが 筆者も毎日のように勤務先近くのデパートの7階にある室内プールで泳いでいる
ほとんど昼食時の前後に ブレストメインにノンストップで25mを15ピッチ 50分ほどで2000mなので 時速1,5ノットほどの泳ぐというより大海に漂う椰子の実か
数十年来の水泳のおかげか 173cmで体重77kg ウエスト80cm強 バスト105cm 逆三角形と までは言わないが 多少メタボ気味でも前述の女優と同年代にしてはそこそこの体型を保っている?  もっとも この水泳は持病の椎間板ヘルニアの予防改善効果もあり 整形外科の医師である次男から やめるな と釘をさされていることもあり かならずしも意志強固で継続しているとは言いがたい

以下は筆者の体験をもとにした完全なフィクションですので 万一 類似の場所や人物が登場しても まったくの偶然ですのでご容赦いただきたい

K学園水泳部 
筆者は中学 高校時代と水泳部であった(本音を言えば 格別水泳が好きであったわけでもないが 足は遅く 運動神経は0に等しく 陸上競技はすべてが不得意であったのが理由かも)
といっても 中学高校とも男子校のK学園には水泳部用のプールなどは無く 房総半島の館山市 近くの那古船形に水泳部の合宿所があり 新入中学生は全員1週間の合宿で皆泳を特訓された
K学園の水泳部は水戸藩士の太田捨蔵が始祖といわれる水府流太田派といういわゆる 一般には〈のし〉として知られている日本泳法であり クロール ブレストなどは外国泳法として まあおまけのような扱いであり メインはあくまでも水府流の日本泳法であった
指導するのはスケテ(助手)といい K学園高校卒業の大学生がボランティアで熱心?に 指導か しごきか判然としないがともかく担当し K学園の教師などは 避暑がてらに合宿所に滞在はするが 水泳指導 生活指導などにはまったく関知しない
K学園はもともと海軍の軍人を多数輩出したとかで 水泳部員 新入生も全員が白いさらしの6尺フンドシを締めて砂浜で準備運動をするさまは まるでかっての帝国海軍かくありなん?

6尺フンドシ
下の毛も生えそろわない中学生のころはフンドシもさらし半幅で何とかなるが 高校生にもなると さらし一幅でもフンドシから毛がはみ出すようになる
立派に生えている奴はこれ見よがしにはみ出させるが まだ成長途上の奴は何とか一人前に見せるために横に引っ張って 無理無理はみだしさせたりで 涙ぐましくも痛い努力もする
一応フンドシも2本揃えて 毎日洗うよう指導されるが 生まれてこのかた洗濯などしたことのない男どもが満足に洗うわけがなく だたぶら下げておくだけなので フンドシは日がたつにつれ黄ばんでくる
水泳訓練中はいったん海に入ったら 昼まで出てこられないから 暖流放射中!などといいながら 自然現象などはフンドシのまま用を足すことになる
汚なついでに 固形物の放出はどうするか?当然天然の水洗トイレでとなるが さすがにフンドシはずらして立ち泳ぎで踏ん張ることになる 不思議なもので排出された固形物は浮かず沈まず水中に漂う (固形物の比重と海水の浮力との関係を計算するほど暇な奴はさすがにいなかった)
その水中漂流物を沢山のめだかほどの小魚がつつき あっと言う間に分解するのは見ものだった 
それやこれやで 必然的にフンドシは黄ばんでくるし その上ろくに洗わないから 1週間もすると 白だか黄だかわからなくってくる フンドシには一応名前を書いてあるが はしこい奴はフンドシ干し場(干してあるのはフンドシだけではないが)にかかっている少しはよさそうなものを勝手に知らん振りして締めてしまう ぐずな奴はやむなく残った黄フンで我慢することになる

遠 泳
小遠泳 と 大遠泳の2種類があり 小遠泳は2~3km程度でまあ水遊びのようなもの
大遠泳は水泳部のほぼ1ヶ月の合宿最終日のころに 館山の鏡が浦を▽式に10kmほどを10時間近くかけて泳ぐ大イベントである
中学2年生以上で 形式的な健康診断をパスし スケテの許可が出たものが参加できる
(もちろん10km泳ぐ自信のないものは参加しなくてもかまわないが)
われ先に泳ぐことは許されず 3列縦隊を崩すことなく 前後左右の間隔を計りながら〈ひらのし〉で 整然と泳ぐ
早朝からスタートし まず鏡が浦の沖合いにある〈沖ノ島〉を目指して粛々と泳ぐ 3時間ほどで右にほぼ90度進路を変更し 岸と平行に今度は〈崖観音〉を目標に泳ぐ

4隻の和船にスケテが乗り込み(当然エンジン無しー艪で漕ぐ)進路や各自の間隔の修正などやたら指導と称して叱咤激励怒鳴りまくる スケテ連中は途中脱落者の救済なども ぶつくさ言いながら やるにはやる(これが重要な目的)し 時に遠泳中の者に飴玉なども投げてくれるが 余裕の無い奴は目の前でプクプク沈む飴を潜って追いかけられないから なんとも残酷なもの

3時間ほどで再度90度進路を変更し いよいよ岸に向かって最後の数時間となる
そのころには夏の太陽も西に傾き 波間はるかな寮の前の浜では参加しなかった者たちが重湯をつくったり かがり火を焚いたりで 遠泳軍の到着を待つ
もちろん 参加者全員が完泳できるわけでなく 100人ほどの参加者の10%ほどは脱落するが泳ぎきった者たちも水深がひざ下になっても立ち上がれないほどの疲労困憊であり 浜まで這って行く奴も多かった(余談だが 大遠泳に挑戦し連続3年中途脱落したY 東大法学部に現役でパス ー文武両道とは難しいものだ)

きゃたつ(脚立)―飛び込み台
きゃたつ といって高さが10mほどの木製の飛び込み台を水泳部員が 岸からえっちらこっちらと沖合いに運び設置する
引き潮になっても水深3m以上確保できる場所なので かなり沖合いに立てることになるから 水面下のきゃたつの下には重しを縛り付けて浮力と潮流に対抗できるようにすべて人力で設置する
重さ20kg以上のブロックにロープをくくりつけた重しを岸から沖合いにこれも人力で運ぶ
さすがに20kgを持っては水府流でも泳げないので 重しを引きずりながら海底を歩く
時々海面にでて呼吸をしてまた海底で引っ張る なんとも気の遠くなりそうなまさに人海作戦! 

午前中いっぱいで10個ほどの重しがきゃたつの下に取り付けられ いよいよ飛び込み練習となる
高さ10mほどといっても5m近くは水中にあり 水面上は5mほどだが きゃたつの上から下をみると 海底がみえる 当然水面から海底までは5m近くあるので自分の身長もあわせると 12mくらいの高さを感じる
最初はこれが怖い
スケテは下を見るな 水平線を見て前にいる女に抱きつくつもりで飛び出せ 下に向かって飛ぶな ひっくり返って背中をうつぞ!など 好きなことを言うが 頭から飛び出す最初の一歩というか一飛びがどうしてもできない奴もいる きゃたつの上に上がるのが怖くて下のほうにしがみついていると スケテに見つかって おい!あがって来い と恫喝されしぶしぶ上がるが怖くてどうしても頭から飛び出せないので足から飛ぶ というか 落ちる と 次は スケテが最後まで足がきゃたつに残るように足とフンドシを持ち背中をポンと押す 奴は足をもたれているから 自然に頭から落ちるかと 思いきや はなされた足を何とか先に行かせようとするから せっかく頭が先になって落ちているのが足と頭が平行になってそのままドボン!となる つまり完全にカエルの腹打ち状態になり痛ててーーとなる
これを2~3回やると 本人はきゃたつの下にしがみついて スケテがなんと恫喝しようが きゃたつの上にあがってこない はては おかーさーん~とべそをかく始末
きゃたつからの数種類の飛び込みも 水府流の訓練には欠かせない過程であるので おかーさーん はそこで進級ストップとなる
もっとも 本人達にとっては進級などどうでもよく 一刻も早くきゃたつから離れたい一心であろうが
こんな おかーさーん が 毎年2~3人は出た
ある夏には このきゃたつの設置がいい加減であったためか 台風模様の大荒れのときに きゃたつが流されて水泳部員全員で水陸両方から鏡が浦を隅々まで探し回ったこともあり おかーさーん~の呪いだと大笑いしたものだった

大和屋さん 番外おまけ
K学園の合宿所から1km弱?のところに 東京のS女子大の寮があった
こちとらのバンカラフンドシとは段違いで 紺の水着で整然と準備体操などをしているのを遠望するだけで胸が騒いだものだ
水泳部の寮歌にもある-♭向こう女子大 こちらはKよいよい~中をとりもつヤマトヤさん よいよい~
大和屋さんとは ちょうど 両方の寮の中間あたりにあった民宿程度の旅館の名前であり 寮歌にもあるくらいだから かなり長く続いていたのだろう
(スケテも現役も S女子大の学生とヤマトヤさんを利用したとは 寡聞にして聞いたことがない)

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